2003年7月12日から9月20日に日本テレビで放送されたテレビドラマ(全10回)。
小林聡美さん演じる、信用金庫に勤める早川基子(34)が、ハピネス三茶という下宿に住む女性たちに出会う中で、平凡な日常の中にある幸せを見つけていく。
ともさかりえさん、市川実日子さん、浅丘ルリ子さん、小泉今日子さん、白石加代子さん、高橋克実さん、金子貴俊さん、片桐はいりさん、もたいまさこさん、ほか出演。脚本は木皿泉さん。
演出は佐藤東弥さん、プロデューサーは河野英裕さん。
放送当時、視聴率は振るわなかったものの、すいかを見た人たちの評価はとても高く、今でもじわじわと「すいか」ファンが増えている、奇跡のドラマ。
テレビドラマデータベース選出2003年総合ベストテン第2位(ちなみに第1位は「僕の生きる道」)、第22回向田邦子賞、第41回ギャラクシー賞優秀賞、第21回ATP賞(2004テレビ記者賞)、2003年夏クールHanako連ドラアウォード作品賞・主演女優賞(小林聡美さん)・助演女優賞(市川実日子さん)・特別賞(浅丘ルリ子さん、白石加代子さんほかハピネス三茶のみなさま)受賞作品。
ドラマのDVD、サウンドトラック、シナリオブックはファンの間では三種の神器とされている。
放送10周年の2013年に廃版になっていたシナリオブックが「すいか1」「すいか2」と前編後編に分かれた形の文庫本で発売され、後編の巻末に「おまけ」として10年後のハピネス三茶が描かれる。
さらに放送から18年経った2021年にブルーレイが発売され、付属のブックレットには「ハピネス三茶」と「BAR泥舟」の間取り図が掲載されている。初回特典は綱吉のイラストが入った手ぬぐい。
2003年に放送され20年近く経つものの、携帯電話と新聞の日付以外、時代をほとんど感じさせない、何年経っても色褪せない奇跡のドラマ。
脚本家の木皿泉さんによると、松田聖子さんの「瑠璃色の地球」のような歌詞のドラマを作りたいと思って作ったのだそう。丸い球体の「すいか」は「地球」の比喩なのかもしれない。
ちなみに「冬のドラマならタイトルはみかんだったかもしれない」と木皿さんは2019年のイベントでお話しくださいました。
ドラマすいかには「火星」や「木星」、「星」など天体のモチーフもよく登場する。
また、ドラマ「すいか」には夫婦やカップルが、同時に登場することがほとんどない(教授の研究室から飛び降りた学生の父母くらい)。また、血のつながりのある家族も、ほとんど描かれない(教授の親友タマコさんと息子くらい)。
そして、基子さん、ゆかちゃん、絆ちゃん、ともに父親は生きてはいるがほとんど描かれない。そのため、主人公の基子さんとその母の梅子さんの関係性は重要な役割を持つ。
絆ちゃんと双子の姉の結ちゃん、馬場ちゃんと馬場ちゃんの母親、教授と元恋人のリチャードは死別していて、会いたくてもなかなか会うことができない関係になっている。
血のつながりのない女性たちが「ハピネス三茶」という下宿でともに生きていく中で、新しい関係性を築いていく姿は、殺伐とした現代に生きる私たちに希望を与えてくれる。
早川基子 (34) | 小林聡美さん 親の敷いたレールに乗り、16年間、信用金庫に勤めている。ハピネス三茶という賄い付き下宿に住むことになり、住人の女性たちとの出会いの中で自分の可能性を知り変化していく。 |
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早川基子さん(中学生) | 出村真未さん(その後の芸名は上野真未さん) |
早川基子さん(7歳頃の写真) | 小島あやめさん (写真のみ)初代シャキーンMCをされていた方です。 |
亀山絆 (26→27) | ともさかりえさん ハピネス三茶の住人。売れないエロ漫画家。優秀な双子の姉を4年前に亡くす。裕福な実家の父親とは音信不通。 |
亀山結(24) | ともさかりえさん 亀山絆の双子の姉。駆け落ちした後に死去。 |
亀山絆、亀山結 (小学生) | 鈴木舞さん、鈴木優さん 双子の子役さん。 |
芝本ゆか (22) | 市川実日子さん スリランカにいる父親から下宿を押し付けられ、大学生でありながら大家として、ハピネス三茶の賄いを作っている。母が幼い頃に駆け落ちした過去を持つ。 |
崎谷夏子 (57) | 浅丘ルリ子さん 文化人類学を研究している大学教授。厳しくも暖かくハピネス三茶の住人を見守る。おとなげない一面もある。 |
馬場万里子 (34) | 小泉今日子さん (友情出演) 基子さんと同じ信用金庫に勤めていたが、三億円を横領し、逃亡中。平凡な日常生活を手放したからこそ見える、日常の大切さを基子さんに伝える。 |
早川梅子 (57) | 白石加代子さん 基子さんの母。基子さんのことだけが生き甲斐で、基子さんが結婚しないことを気に病む。ガンになり転機が訪れる。 |
間々田伝(45) | 高橋克実さん 教授の教え子で、ゆかちゃんのお父さんの同級生。めんどくさいおじさんだが、名言を言うことも多い。 |
野口響一(22) | 金子貴俊さん 間々田さんの娘の桃ちゃんの元カレ。絆ちゃんに恋をしてストレートに気持ちをぶつける。世の中の風潮に流されていたが絆ちゃんとの出会いの中で、自分の頭で考え、自分の足で歩くようになる。 |
泥舟ママ(年齢不詳) | もたいまさこさん 「帰ってちょうだい」が決めゼリフ。BARカウンターの扉の裏に泥舟の秘密の4箇条が書かれている。 |
生沢冴子(37) | 片桐はいりさん 馬場ちゃんを逮捕しようと追いかけている警部補。犯人の見せる意外な一面が面白くて刑事を続けているという。 |
綱吉 (年齢不詳) | 本名はコアラ。 (市原ぞうの国の所属のブチのあるネコ。) 絆ちゃんに飼われている。ワープロ入力と漢字変換ができる。 |
小川部長 | 中丸新将さん 基子さんに「褒めてもらえます?」とお願いされ、困惑しつつも自分なりの感謝を伝える。 |
課長 | 六角精児さん 基子さんに、「融通が利かない」「予定なんてないよな」など失礼なことをズバズバ言う。 |
川村さん | 田根楽子さん 梅子さんが入院した先で仲良くなったお友達。木星のことを教えてくれる。1話でゆかちゃんの持つチラシを見て「ほんと場所いいわ」と言っていた女性と同一人物。(ベンチをパンパンと叩き、「ここすわんなさいよ」という仕草が同じ) |
女子学生 | 長尾奈々さん 一話でしくしく泣いていた女子学生? |
男子学生 | 関塚裕二さん 一話で「女子やし、しゃあないんじゃないか」と言った学生。 |
バーテン | 伊澤健さん 一言も喋らないが9話で、「いいことありますよ」と喋る。 |
スミちゃん | たくませいこさん 教授の助手。第6話で不倫相手に無言電話をかけるシーンがあるがカットされている。 |
松下 雄介(記者) | 木村靖司(やすじ)さん 第二話に出てくる、週刊ヘブンの記者。 基子さんに馬場万里子の写真を売ってくれるよう頼みこむ。 |
木山タマコ | 岩本多代さん(2020年に亡くなる) 教授の同級生。ハピネス三茶の絆ちゃんの部屋に以前住んでいた。研究を辞めてお豆腐屋さんに嫁ぐ。 |
木山 也寸志(木山タマ子の息子) | 山崎樹範(しげのり)さん 第三話で教授に木山豆腐店の豆腐を渡す。 |
教授の喧嘩相手 | 光石研さん 第三話で教授と殴り合いの喧嘩をして、前髪を引きちぎられる。その後仲直りし教授とプリクラを撮り、ウサギも飼っているとエンディングのシーンで分かる? |
乾 克由(亀山結の元婚約者) | 柏原収史さん 第六話で絆ちゃんに結婚の報告をしにくる。結ちゃんが駆け落ちし、木を2本引き抜いたことを告白。 |
バイク便?のお兄さん | 恩田括(おんだまとむ)さん 六話で馬場ちゃんから東京駅でお米を預かり、雨の中ヴィオロンにいる基子さんに届ける。 |
花柳 もえこ(花柳セミナーの講師・本名は八木田悦郎・教授の元助手) | 篠井英介(ささいえいすけ)さん 第七話で、講座「いつまでも嫁に行かない娘を目覚めさせる方法」の講師役。リーダーとして、頼られ、梅子さんから個別に相談される。 |
上条 真希子(花柳セミナーの参加者) | 銀粉蝶さん 七話に出演 |
井出 佳織(花柳セミナーの参加者) | 橘ユキコさん 七話に出演 |
亀井 恵理(花柳セミナーの参加者) | 川俣しのぶさん 七話に出演 田根楽子さん、中丸新将さんと同じ事務所に所属。 |
館長(坪山ゆたか記念図書館の館長) | 米倉斉加年(まさかね)さん (2014年に亡くなる) 歌う犬の本を借りに来た基子さんに、少し前も同じ早川基子さんが来たと伝える。 |
後藤 裕美子 | 加藤夏希さん 教授の教え子。 |
梅子さんの主治医 | 原知佐子さん 八話に出演 |
後藤裕美子の母 | 高畑淳子さん 八話に出演 |
後藤裕美子の父 | 坂田雅彦さん 八話に出演 |
交番にお金を借りに来たサラリーマン | 村上淳さん 八話に出演 馬場ちゃんにお金を借りたお礼に国際グランブルー水族館のチケットを渡す。 |
男子学生(崎谷教授の教え子) | 上地雄輔さん 八話に出演 教授に松坂牛を押し付け単位をもらおうとした。 |
生沢刑事の部下 | 須賀 貴匡さん 八話に出演 馬場ちゃんの張り込みで生沢刑事の横にいた刑事。 |
ナカイさん(女子行員) | 秋山実希さん 「腐ったすいかと自分を重ね合わせてるんでしょ」、と基子さんに言って睨まれる。 |
女子行員 | 奥野ミカさん 「先輩、聞きました?馬場さんのこと。使い込み」と基子さんに教えてくれた後輩。 |
ハンバーガー屋の店員さん? | 小田瑞穂さん 一話に出演 |
? | 高端瑞衣さん 二話に出演 |
間々田もも(間々田さんの娘の幼少期・写真)? | 渡部百華(わたなべゆか)さん 二話に出演 |
テレビのアナウンサー? | 多昌博志さん 二話に出演 |
うさぎを売っていたおじさん | 掛田誠さん 三話に出演 |
響一くんが返品したジュエリー店の店員? | 妻鹿有花(ありか)さん 三話に出演 |
倉庫の前から中継していたリポーター | 新川史子さん 三話に出演 |
駅で押されて転んだ女の子 | 矢端名結(やばたみゆ)さん 三話に出演 現在フリーアナウンサー、アルコ&ピースの酒井さんとご結婚されています。 |
? | 有迫照彦さん 三話に出演 |
? | 大川光康さん 三話に出演 |
? | 見田論さん 三話に出演 |
ゆかちゃんの幼少期 | 木村茜さん 四話に出演 |
? | 古谷美香子さん 四話に出演 |
絆ちゃんがバイトしたファミレスの店長 | 武発史郎さん 四話に出演 |
社内報の原稿依頼をした行員 | 久松信美さん 五話に出演 |
絆ちゃんの父親? | 内田勝正さん (2020年に亡くなる) 五話に出演 |
陶器の人形を持っていたおばあちゃん | 安田洋子さん 五話に出演 |
? | 佐藤憲さん 五話に出演 |
喧嘩をしていたカップルの女役 | 上村愛香さん 六話に出演 |
基子さんがヴィオロンで見た夢に登場する刑事 | 岡田俊博さん 六話に出演 |
おのろけ豆のお店の店員 | 内藤トモヤさん 六話に出演 |
馬場ちゃんに報奨金あげる魚屋さん | 中村まことさん 六話に出演 |
ヴィオロンの店員 | 押野大地さん 六話に出演 |
結ちゃんの駆け落ちの相手 | 菅原卓磨さん 六話に出演 |
? | 望月優吾さん 六話に出演 |
美容整形詐欺のニュースを伝えるアナウンサー | 寺島淳司さん 六話に出演 |
小野清美 | ? 六話に出演 52歳という年齢を隠し、間々田さんに巧みに言いよる。ニュースの写真のみ。 |
八百屋のおじさん? | 星野晃さん 七話に出演 |
防犯訓練の警備員さん? | 飯田邦博さん 七話に出演 |
馬場ちゃんが活躍したかつての防犯訓練で人質役だった女子行員? | 太田美恵さん 七話に出演 |
基子さんが行った本屋の店員さん? | 伊藤俊二さん 七話に出演 |
絆ちゃんに仕事を断られた編集者 | 伊藤正之さん 八話に出演 |
後藤裕美子の入院した病院の看護師さん | 辻しのぶさん 八話に出演 |
マジックショーのマジシャン | 大門伍朗さん 十話に出演 |
女子高校生を刺そうとした男子高校生 | 高藤疾土(2代目古尾谷雅人)さん 十話に出演 |
刺されそうになる女子高校生 | 山内明日さん 十話に出演 |
馬場ちゃんが逃げ込んだマジックショーのマジシャン | 北見マキさん 十話に出演 |
ハナマサのレジ係 | 針原滋さん 第十話で、買い物に来た基子さんに、漫画家が刺されたと伝える。 |
リチャード | ? 六話に写真で出演 |
第1話 | 2003/07/12 「逃げる女煮つまる女」 基子さんの信用金庫の同僚、馬場ちゃんが三億円を横領して逃走し、泣いていた基子さんに女性がハンカチを差し出す。女性のスリッパに書かれた下宿を訪ねていくと、基子さんが20年前に偶然出会った双子の1人、絆ちゃんと再会する。 |
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第2話 | 2003/07/19 「涙をふいて恋が始まる」 指名手配中の馬場万里子の写真を探していた雑誌記者から写真を売ってもらえないか頼まれた基子さん。写真を勝手に売って牛肉を買った母と喧嘩して家を飛び出し、基子さんはハピネス三茶に住むことに。 |
第3話 | 2003/07/26 「百円玉で買った幸せ!?」 幼い頃から貯めた100円玉を使い切ろうと街に出かけた基子さん。教授の教え子の間々田さんの娘の元カレである響一くんと街で会い、説教をしているうちにお金にこだわっている自分に気づき唖然とする。 |
第4話 | 2003/08/02 「私、面白い人間ですか」 むしゃくしゃして制服を捨てた基子さん。初めて会社をズル休みした日、生沢冴子刑事が訪ねてくる。「人は変われます」と刑事さんに言われた基子さんは、絆ちゃんが裏地をリメイクした制服を後輩に見せびらかす。 |
第5話 | 2003/08/09 「父さん、私ダメ娘です」 「私の友人」というテーマで社内報の記事を書くよう頼まれた基子さん。いろいろな経緯があったが絆ちゃんに頼むことに。基子さんが接客中に割れた人形と同じ人形が実家にあることを思い出した絆ちゃんはこっそり実家に忍び込む。 |
第6話 | 2003/08/16 「恋する幽霊秘密の再会」 お盆のお話し。絆ちゃんの亡くなった双子の姉の元婚約者が絆ちゃんを訪ねてくる。馬場ちゃんから電話があり基子さんは再会の約束をするも、待ち合わせ場所には美味しそうなお米が、届けられる。教授の亡くなった元恋人も嵐とともに教授を訪ねてくる。ファンタジー色が強めの回。 |
第7話 | 2003/08/30 「幸福を呼ぶオッパイ!?」 この回のみ山田あかねさん脚本。教授に歌う犬の話を聞いて、その犬を探しに行く基子さん。基子さんの母、梅子さんは娘を結婚させるため、講座を受けに行く。なんとその講師は教授の知り合いの八木田くんだった。 |
第8話 | 2003/09/06 「母がガンになっても…」 基子さんの母、梅子さんがガンだと発覚。基子さんに実家に戻ってほしい梅子さんと、戻るつもりはない基子さん。基子さんが生まれた病院の前で、梅子さんは基子さんが赤ちゃんの頃初めて喋った言葉を思い出す。 |
第9話 | 2003/09/13 「決戦!さよなら母さん」 綱吉がいなくなり妙にテンションが高い絆ちゃん。基子さんは、母親が入院した病院の同室の女性から、「お母さんは話のわかる人」と言われ勇気を出して、自分の足で歩いていくことを母に宣言。退院の日、梅子さんは、基子さんに「独立記念日」と書かれた紅白饅頭を基子さんに渡す。 |
第10話 | 2003/09/20 「彼女達が別れる理由」 教授が上司を殴って大学を辞め、ハピネス三茶を出て行くことに。馬場ちゃんがハピネス三茶を訪ねてくるも基子さんは不在。置き手紙に書かれた場所で基子さんと馬場ちゃんがついに再会する。基子さんは馬場ちゃんがいつかこっちの世界に戻ってこられるチケットを渡す。 一方、絆ちゃんは、綱吉を探しにきてくれた響一くんを見送った帰り、ナイフをもった少年が少女に向かって行く姿を街で見かけ、止めに入る。ハピネス三茶で教授に自分と不器用な少年が重なって見えたと泣きながら話す。 いなくなった綱吉は戻ってくるが教授は秋空の下、旅立つ。 |
3話 | 基子さんがコピー機を叩きながら キャッシュ?とつぶやき 欲張りなゼニーエンジェルのポスターが映った時の音楽 「Johnny Angel」 カーペンターズ |
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4話 | 部長がカラオケで歌ったいた曲 「コモエスタ赤坂」 ★歌:ロス・インディオス ★作詞:西山隆史,作曲:浅野和典 ★発売年:1968年 |
部長がカラオケで歌ったいた曲 「ひょっこりひょうたん島」 ★歌:前川陽子とひばり児童合唱団 | |
6話 | ゆかちゃんが玄関を掃きながら歌っていた曲 「恋しているんだもん」 ★歌:島倉千代子 ★作詞:西沢爽 作曲:市川昭介 ★発売年:1961年 |
8話 | 梅子さんが橋を渡りながら歌っていた曲 「ケセラセラ」 |
9話 | 教授がかけたレコード 「Parlez-moi d'amour」 ※邦題は「聞かせてよ愛の歌を」というシャンソン ★作詞&作曲 Jean Lenoir ジャン・ルノワール ★歌 Lucienne Boyer リュシエンヌ・ボワイエ、Juliette Gréco ジュリエット・グレコ他 ★発表年 1930年 |
絆ちゃんが歌っていた鼻歌 「マイムマイム」 |